相談
「おう、ジャマしにきたぞ」
「なんだ、久しぶりだな」
先日、友達の「あきら」の所に行ってきました
東京の外れ、辛うじて市外局番は「０３」だけど
古い地図では武蔵の国に位置する街で
小さな居酒屋を 客より酒を飲みながら営んでいるヤツです
「どうだ、景気は？」
「とりあえず食ってはいけるよ」
俺とほとんど同じスタイルのバス釣りをするヤツなのですが
ライフスタイルは両極端なため一緒に釣りに行くことは
最近減ってきました
「最近行ってねぇな」
「もう寝ないで釣り出来る歳じゃねぇよ」
「サラリーマンに戻れば？」
「飲みながら仕事が出来ればな」
２人で開店前に生ビールを飲みながらしゃべります
「俺が休み取ろうか？」
「そりゃありがてぇけど、どこ行く？」
「北は？」
「ハチローは釣れるだけで面白くないだろ」
「だよな…、遠いカスミだよな」
有名な北のフィールドは何度か行きましたが
臭くない霞ヶ浦くらいの認識です
「お前『赤星バス』は釣ったことあるか？」
「いや、行ったことしかない」
「すげぇぞ、ブラックバスがホントにブラックなんだよ」
「何言ってんだ、お前？」
コイツに言わせると こっちで釣れるブラックバスは「グリーンバス」で
ホントのブラックバスは聖地で釣った黒い色なんだそうです
「あの色見りゃあ 名前の由来に納得も行くだろうよ」
「別に文句を言った覚えはないけどな」
「バスの目に吸い込まれそうになるぞ」
「キレイな目のバスはいいよな。
キレイな景色を毎日見てるんだろうな」
気持ちが湖上へと移ります
「ハイシーズンに行かねぇか？」
「バスの？」
「人のだよ」
「狂ったような暑さに襲われる前だな」
「梅雨明け…か」
それまでにはルアーも完成してるだろ…
「でも、道 混まねぇか？」
「混むよ。帰りは覚悟しておけよ」
「マジかよ…」
「どうせ運転はお前だろ」
「お前は横で寝てるのか？」
「他にすることないだろ」
