寒さとファッション



携帯電話が鳴る



着メロは「魔女っ子メグちゃん




20代の女の子は全部この着メロです
  ちなみにそれより年長女性の着メロは「キューティー・ハニー」



俺にだって若い女の子の友達くらい居ます
ちゃんとカタギの女の子です


ほとんどこの着メロが鳴ることはありませんけどね
  そもそも携帯が鳴ること自体ほとんど無い







  「呑みに行きましょうよ」
  「は?彼氏とでも行けよ」
  「今フリーなんです」
  「それなら俺を誘ってる場合じゃないだろ」
  「迷惑ですか?」



こんな口車に乗せられて呑みに行くことになりました



  「で、場所はどこにするんだ?」
  「アタシのうちの近くでいいですか?」
  「東京に呼び出しかよっ!」



東京は人が多くて嫌いです



  「だって前はそっちの方だったじゃないですか」
  「いいところだろ」
  「終電が早すぎ…」




しょうがない、越境するか





  == 後日 ==





久しぶりの電車に乗って待ち合わせの居酒屋へ



  「悪いな、待ったか?」
  「いえ、それほどでもないです」



ビールを頼んで乾杯してから改めて彼女を見ると
どーもその格好が気になる



  「あのさぁ、俺が言うことでもないんだけどな」
  「ん?なんですか?」
  「そんな格好で外に出るなよ」
  「おかしいですか?」
  「電車の中もそんな格好の女の子が多かったけど…」
  「どこも変じゃないですよ」




  「モモヒキ だろ、それはっ」




  「レギンス って言うんですっ!」




本物初めて見た… コレが噂のレギンスか…



  「コレが?」
  「ちょっとはファッションのこと勉強してくださいよ」
  「いや、噂には聞いてたんだけどな」
  「笑われますよ」
  「ちょっと触らせてよ」
  「変なところ触らないでよ」
  「人の身体に変なところはないよ」



触ると…



  「俺のモモヒキと同じじゃん」
  「そんなことはないです」



ジーンズをまくり上げて見せる



  「ほら」
  「なんか、感じ悪いんですけど…」







もう一枚履いた方が暖かいと思うよ